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ガンダーラの仏様 02/09/24

上野でやってた『アフガニスタン悠久の歴史展』、
見損なったかなあと残念がってたんだけど、
なんとか娘の熱も下がったので、おとうちゃんに頼んで、
15日の日曜日にお出かけしてきました。(会期は16日まで)

けっこう涼しかったので、ちょっと着るものに迷い、
結局、去年角川の新年パーティで着た
クリスチャンオジャールの黒の上下を地味目に着たんだけど
(あとで横浜そごうの売り子さんにギャルソンですねと評された)、
街ゆく人もすっかり秋冬モードだったので、安心しました。

というのも、街に出るのは久しぶり。電車なんて何カ月ぶりだろう。
おとものご本は『私のスタイルを探して』by光野桃。
これ、二十代で読みたかったなあ。

上野の公園口をおりて、東京国立博物館の前を通り過ぎる。
ここの常設の古ガラスだけ、時間があったらあとで見に来よう。
ついでに、法隆寺宝物館1階にある
ホテルオークラ ガーデンテラスでお茶したい。

そのまま東京芸術大学へ。
お目当てはここの大学美術館。
いやににぎわっているなあと不安になったら、なんと、芸大祭をやってました。
お目当ての『アフガニスタン悠久の歴史展』は、
なんとかひとにぶつからずにみることができた。
(それでもなんどかぶつかったのは、複雑に入り組んだ順路のせい)

とにかく、美形。
ガンダーラ美術の仏様って、なにかの教科書にのってて、
昔からずっとあこがれておりました。
なんて端正なお顔立ちなんだろう。
ギリシア彫刻が沙羅双樹の花の下で悟りをひらいたら、こんなふうになるんです。
でも美術品であるけれど、もともと仏像ですから、手を合わせてきました。
他にそんなことしてる人は、あまりいなかった。
(というか、誰もいなかった)

仏様に手を合わせるのは、
二十二才の時に比叡山をひとり歩きしてから身に付いた習慣。
信心深いつもりはないんだけどね。
いままでこの仏像に手を合わせた何百、何千という人たちの
仲間に入れてもらった気持ちになる。
自分の手のひらがあったかくて、ほっとしたり。

芸大美術館の二階にもオークラのカフェがあって
(先生たちが使う学食ってとこなのかな)
ワインなんか飲み、家に電話してみると、
「こっちは大丈夫だから、せっかくだし、どこか泊まってゆっくりしてきたら」
これはね、もちろんこんなふうにいってくれる
優しいおとうちゃんが偉いんです。
でも私も偉いのよ。私が常日頃から、
超アウトドア派のおとうちゃんに好き放題にさせてあげているから、
こうした肝心の時に、こういうふうに優しくいってもらえるわけですね。
(特に、去年オレゴンのカヌースクールに
二週間気持ちよく送り出してあげたこと。
あれがまだ効いてるな)

ということで、おとうちゃんに感謝しつつ、
また芸大校内の公衆電話からアグネスホテルアンドアパートメンツに電話。
ラッキーなことに、部屋がとれてしまう。
ふとみると、むこうでは、ガムランの演奏してました。さすが芸大祭。
二十年くらい前にいったバリを思い出す。

せっかく東京に出てきたんだから、あいたいひとはた~くさんいるのだけど、
いくらなんでもこの時間に連絡したら困るだろうなあ
(みんなそれぞれの家庭があるし)
ということで、ひとりでディナー。
一人で飲んでも、その場の雰囲気をゆったり楽しめるようになったのは、
やはり年とったおかげでしょうか。

ちなみに、このホテルはレストランも最高。
食後、美形のウェイターさんと楽しくおしゃべりしてから、
宵闇迫る神楽坂界隈をひとりでお散歩。
ふらっと入った本屋で発売されたばかりの『椿山課長の七日間』( by浅田次郎)をget!
朝日新聞で連載してるときから夢中で、夕刊が来るのが毎日待ち遠しかったやつ!

うきうきしながら部屋に戻り、「お風呂で読書♪」の用意。
これは家ではなかなかできないよ~。
備え付けのバスジェルを垂らしながら、ふと思い出した。
そうそう、このお風呂、ジャグジーがついてるんだった!
さっそくスイッチオン! もちろん目盛りは最大!
とりあえず目を閉じて、しばし天国の気分を味わうハルナ。
いや~この瞬間のために頑張って働いてきたのね~~極楽極楽~。
何分かしたころ、ふといやな予感がして、目を開けた。
なんと、目の前が真っ白で、な~んにもみえない!!え~~っ~??

ということで、若いみなさんには教訓になったかもしれませんが、
「泡風呂」と「ジャグジー」は同時には楽しめません。
どれだけお好きでも、やるならどっちか一方です。でないと、洗面室の中で泡に埋没し、
右も左も、ジャグジーを止めるスイッチがどこだかもわからなくなります。
え?泡なんてシャワーをかければ消える?
いえいえ、シャワーブースが別についているリッチなお風呂には、
シャワーなんかない。シャワーをかけて泡を消すこともできません。
洗面器があれば泡をすくいだすこともできるかも…(あるはずないだろ~)。
それにしても、バスジェルの泡って、なんて丈夫なんだろう。
なかなか消えない。こんどこれで子供とシャボン玉をしてやろうと、
しっかりバスジェルをお持ち帰りするハルナだった。

いいのよ。本はお部屋で読めば。
気を取り直してオットマン付きのチェアで本を読む。バスローブも上等。
それにお部屋には、いろんなティーバッグやコーヒーセットがそろっていて、とってもよかった。
でも一番気に入ったのは、ラッセル・ホブスの電気ケトル! 
惚れた。これ、ネットで探して買おうっと。

結局その夜のうちに、一冊読破してしまう。
ラスト、文章までしっかり覚えていたのに、また泣かされてしまった。感動。
他の浅田次郎の本も読んでみようかと思う。
朝食も最高。目の前でしぼったオレンジジュース、
焼きたてのチーズオムレツ、etc.etc…

こりずにもういちどジャクジーしてからチェックアウト。
勝手知ったる横浜まで戻って、そごうの「セシオセラ」で、
何年も大切に着たいと思うような秋物のシルクのセーターを購入。
初対面の売り子さんと仲良くなった。

それにしても、ちょっと前までは地下街のポルタで服を買っていたのに、
最近はそごう、それも、三階じゃなくて、四階で服を探す方が早くなった。
値段も高くなったが、着てみたいと思う服は増えた。
年をとるのも悪くないかな、と、ふとまた思ったりする。

広大な地下ケーキ売場で考えに考えたあげく、
「アンテノール」で高級ケーキを買って帰ったのに、
子供たちにはコージーコーナーの
ボリュームのあるケーキの方がよかったみたいで…とほほだよ!

ということで、ハルナのお出かけ日記でした。
次のお出かけ日記?…来年のうちには、なんとか、ね。(笑

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