主のない庭 05/05/22
尼崎・列車脱線事故で亡くなられたある女性は、
「庭の花きれいでしょ?」という出がけのことばが、
家族がきいた、最期のことばになったそうだ。
主を失った庭に、いま、なんの花が咲いているんだろう。
もう5、6年前のこと、ご近所に住む女性が、突然亡くなられた。
お手伝いにいったら、
庭に、それは見事な大輪のバラが、ちょうど開き始めていた。
一番花だ。
もちろん、このつぼみに気づいていたことでしょう。
毎日、手入れを欠かさなかったに違いない。
こんなに見事に開いた花を、みたかっただろうなあ。
だから、バラを切って、お棺に入れてあげようと思ったんだけど、
残されたご主人が見たがるかもしれないと思い、
結局、切らなかった。
切ってあげたらよかったかなあと、
いまでも、ひどく悔やむことがある。
また、バラの季節がやってきた。
咲いているかな。あの見事なバラは。
大輪のバラをみると、突然主を失った、あの庭のことを思う。
(写真:左上ビビ・ピンクシェード、右上アプリコットアンティーク、
下のふたつはこぼれ種で品種不明)
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