美しい人 05/08/03
野球少年の次男が、守備練習中、
イレギュラーしたボールを目に当て、眼科へかつぎこまれた。
多少網膜に出血はあるものの、
たいしたことはなかったらしい。やれやれ。
つきそいで、その後も何度か眼科にいった。
その眼科は、入院手術もできるほど大きく、
二時間三時間待ちは、当たり前。
ところが、
眼科の待合室って、
基本的に、何かを読んで待つということを、想定していないのだろう。
雑誌も新聞もおいてないし、なにより、照明が暗い!
なすすべもなく、うんざりしながら、ぼうっと座っていたら、
隣に、ふたり連れが座った。
お年寄りと、彼女に付き添っているヘルパーさんらしい。
お年寄りは、ほとんど耳がきこえないらしく、
看護婦さんをまじえ、受診の相談を、筆談でしている。
書くのは、もっぱらヘルパーさんだ。
要点だけをまとめ、大きな文字で、きれいに書いていく。
しばらくすると、
ふたりの向こうに、また二人連れが座った。
お年寄りと、その娘さんらしい。
すると、ヘルパーさんがいきなり立ち上がって、あいさつした。
どうやら、以前、こちらのお年寄りにも付き添ったことがあるらしい。
娘さんが、「その節はお世話になって…」とあいさつする。
こちらのお年寄りも、ほとんど耳がきこえないらしい。
だが、手話ができる。
ヘルパーさんは、苦もなく、手話を使って話し出し、
自分が付き添っているお年寄りに、筆談で、ふたりを紹介した。
四人は、なごやかな雰囲気で、会話を続けた。
ああ、すごいなと思った。
どうということのない会話だったが、
お年寄り二人は、ほとんど耳のきこえないようすで、
そのうえ、眼科を受診するということは、目にも異常があるのだろう。
なのに、楽しそう。
ふたりの間に入って筆談し、手話を駆使するヘルパーさんは、
ほんとうに、飾り気のないひとだった。
化粧もしてないし、装飾品もつけず、服もこざっぱりとして、
でも、
とても美しくみえた。
あのように、生き生きと、美しいひとをみたのは、久しぶりだ。
薄暗い待合室に、光がさしたようだった。
ひとさまのお役に立つひとは、
それだけで、美しく見えるのだ。
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コメント
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sachiさんこんにちわ♪
ERを語りたい~でも語りだしたら長いよ~(笑)
ディボースショウは、
子どもを虐待した父親をなぐって医者をやめたロス先生が、
そのまま弁護士に転職したお話です(笑)
ぜひみてみて…
(でもロス先生の跡目に入ったルカも、なかなかよかったです♪)
セントポーリアなんども挫折しています。ぜひ教えて下され!
投稿: まだむ | 2005.08.08 16:58
はじめまして sachiと申します
素敵なお写真とお話
いつもふむふむと思いながら拝見しておりました
今日のお話 とってもいいですねー
酷暑の中 涼やかな風をいただきました^^
ps.わたくしもジョージ・クルーニー好きです
「ER」の役は彼らしくって
(って あくまで「役」ですね^^;)よく見てました
彼が出なくなってなんとなくつまらなくなって・・・
ディボース・ショウ 見たくなりました
投稿: sachi | 2005.08.07 13:49
札幌の女さま♪お元気でしょうか。
次男坊は、とっくに私よりでかくなり、声も野太く、すねげだらけで、風呂上がりでも男臭く、
みなさまに可愛い可愛いといわれたあの頃の面影は、まったくありません(涙)
もちろん母のおっぱいより、よそのおっぱい…(笑)
いまのうちにせいぜいさわらせてあげて
主人の故郷(盛岡)も、5月の連休あたりに春の花がいっせいに咲いて、それはそれはきれいです。
長い冬を耐えたひとへのご褒美なのかなあ。
そちらの冬も怖いでしょうが、私は東京の夏が怖い。
この季節は、とてもおのぼりできません(笑)
投稿: まだむ | 2005.08.05 15:55
次男は大丈夫かい?
もうそんなに大きくなったんだね。
うちの坊主がちょうど、私の知っている次男と
同じ大きさになっております。
未だにおっぱいをさわりにくる甘えん坊です。
こんなに素敵なガーデニング、見に行きたかったなあ。
札幌は、春と夏がいっぺんに来るので、
シロツメクサもレンゲもアジサイもみんな一緒に咲いていて、コスモスももう咲き始めました。きっとあっという間に冬が来るんです。
冬、怖いなあ。
投稿: 札幌の女 | 2005.08.05 15:19